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会社生活足掛け37年、定年退職という一区切りを終え、会社生活における悔恨の念と苦渋の思いが湧き上がってくる。何故あの会社はなくなり、あの会社は資産を失っていったのか、そしてあの会社に何が残るのだろうか、それぞれ原因があって結果は生まれる。私は会社を去るたびに、遅かれ早かれという思いがあった。しかし、敢えて言うことはなかった。これは会社の組織の枠外に置かれ、言える立場ではなく、寧ろ疎まれていたからである。だからそれぞれ自ら去っていったのだが、今だから言えることなのかもしれない。
小さな会社は些事に巻き込まれると些事の中で更に小さく、やがて消えていく。やはり小さな会社であっても次の市場を作っていくパワーは必要である。小さな会社こそ失敗を恐れず敢えて転がり続けなければならない。転がらなければ大きな会社に巻き込まれ、存在意義を失われるからである。小さな会社が守りに入った時点でおしまいなのかもしれない。厳しいがそれが現実だ。なくなるには理由がある。
資産を失う会社は取引に生じた問題を後回しにする結果だ。取引を等閑にせず、交渉を我慢強く続けるべきである。自ら担当を切った時点で、相手にカードを渡してしまう。根気強く対応すべきである。短気は損気である。交渉戦略が不十分で、明確にせず、人員を含め資産を失うことは企業戦略自体に誤りがある。ドメインの事業に集中せざるを得なかいことは理解できるが、一つ一つ問題を解決していかないと足元をすくわれることになる。
伸びない会社には夢がない。夢がないと人は育たない。全く面白みのない会社になる。経営は数値で判断するが、数値を上げるのは人間である。人間味のない会社は保身に走りやすい。全て現場に丸投げで結果だけで判断する。会社として経営戦略を説明すべきであるが、従来路線から外れるものにいい顔は示さない。最早縮小となる。数値的に見えない将来像は消えていくのであろう。
私が主に取り組んでいたのは海外戦略である。うまくいくときは大きいが、リスクも比例して大きい。経営者がこのリスクを理解し、更に信頼の上に投資をしなければ、難しい事業であった。投資なきところに事業が拡大することはない。寧ろ撤退につながる。まさに事業への本気度が試される部門であった。梯子を外されると致命傷を被ることになる。何度か辛酸を舐めており、寿命もその都度縮まった。
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