ワイン

ワインの故郷はグルジア(現ジョージア)と教えてくれたのは、上海の西、昆山の城市公園に面した粋なレストランの美しい中国人の若い女性オーナーだった。あれから3年経つ。店内には高級感溢れ、入り口脇の木製の棚にはワインボトルが所狭しと置いてあった。どれを取ってもみごとなもの。見惚れてしまう。生まれて初めてだった。こんな美しいワインボトル。どこのものか?グラスウェアから漆器のものまである。どれも民族色豊かであった。上の写真でお気づきになっただろうか、懐かしいフルシチョフ元ソ連第一書記の写真が棚に上部に飾ってある。1963年フィデル・カストロ元キューバ第一書記とグルジアを訪れた際に撮った写真。角杯でワインを味わっている。向かって彼の左に見えるおなかはフィデル・カストロ元第一書記のもの。看板の北箭庄園(North Arrow)は新疆ウルムチのワイン商社、グルジアのワイナリーと提携し、ワインを輸入している。私の住まいはこの店の近く、週末ワインとブルーチーズを食しに良く尋ねた。尚、ブルーチーズは中国人はお気に召されないようで、大量に頂くことになった。ありがたかった。下の写真のブルーチーズのタッパー奥のボトルのラベルの人物、自ずと知れたスターリン。グルジア生まれの旧ソ連の指導者。フルシチョフの前、レーニンの後。グルジアのラベルに彼は健在であった。イタリア料理を出す訳でもないのに店名はナポリだった、不思議な店だった。今はもうない。

今からちょうど30年前、オーストリアのザルツブルグへクリスマスのころ兄を訪ねた。夜ささやかな歓迎会。そこで酌み交わしたのが赤ワインだった。一升瓶だった。ワインは水より安い。日本ではまだワインは高級酒に扱われていたころである。ヨーロッパではワインは生活の一部だ。小さいころ、クリスマスにこのオーストリア人の日本の家に呼ばれていた。必ずワインを飲ませてくれる。これが楽しみであった。ワインはキリスト教徒にとって聖なる飲み物。キリストの血である。最後の晩餐の絵にはワインがグラスに入れられ配られている。

禁酒法時代の米国においてもワインは作られていた。それがカリフォルニアである。イタリア人によって守られていた。3年前ナパバレイで飲んだワインを忘れられない。何故かカリフォルニアワインと言うと白になるが、これは日本人がワインに慣れていないと判断し、日本酒を意識し、白で売り出しただけ、勿論赤もある。訪れたワイナリーでは試飲させてくれた。酸味のあるすっきりした味わいであった。

グルジアにおいてはワイン酒造7000年前の遺跡が残っている。葡萄はシルクロードを経て中国から仏教と一緒に日本に入ってきた。漢字と読み方は中国語そのままである。中国でputaoと発音する。ワインは中国において王のみ飲める高級な酒であり、一般庶民のものではなかった。普通に飲むことができなければ根付くことはない。日本へワインはキリスト教の宣教師と共にやってくる。中国経由ではない。飲める人間は自ずと限られた。作られるようになったのは明治以降になって、フランスの技術である。中国も同様フランスである。多くの日本人は今もボルドーの銘柄を好む理由がここにある。収穫祭になればボジョレヌーボ。全てフランス。私が一番日本のワインにハマったのは5年前長野県茅野にいた時だ。長野では秋になるとワインも新酒が出てくる。アルプスワインの完熟コンコード辛口は値段も1,000円そこそこで香、旨み、コクとも最高であった。是非、秋に飲んで頂きたい日本のワイン。ワイナリーはほぼ塩尻にある。葡萄の木は全てフランスからきている。

長野は日本一の長寿県でもある。健康の秘訣をおじいさんに教えて頂いた。酒は毎日200ccとせよ。グラス1杯である。それで満足しなければならない。ワインは1瓶750cc。3日で飲めば毎日250ccになる。これでほろ酔いにする。アルコール度数を14%を基準とした。丁度いい。赤であればポリフェノールも摂れる。飲み物は冷やしてはいけない。これは中国の教え。体を冷やすからだ。これも赤のワインには当て嵌まる。毎日飲むには1瓶1000円弱に抑えなければならない。最近14.5%でも1000円弱。スペインのワインにある。日本のワインは度数が残念ながら低い。最近円高傾向、ワインの需要も健康志向で増えているのか、酒類も増え、安くなっている。喜ばしい限りだ。スーパーで充分。探せばある。商社の方に感謝。

ところでグルジアは正式国名を2015年にジョージアにした。ロシアとの関係もあろうが、中国では相変わらず格鲁吉亚(グルジヤ)である。慣れ親しんだ名前を大事にするのもいいのではと思うが。一度は行きたい国の一つ。ワインを醸成するのに古より甕を使う。縄文式土器のように先が尖っている。書斎に他の彩色豊かなワインボトルと一緒に飾っている。中国昆山のナポリの店員が、私が撮影し、感動していたところ飾っている数瓶をくれた。日本に持って帰り、書斎に飾り懐かしんでいる。ワインは様々な出会いと喜びをもたらす聖なる酒と思えてならない。感謝している。

東京には1軒吉祥寺にグルジア料理を提供する店がある。駅近なので是非近くの方は訪ねて欲しい。名前はカフェ・ロシア。かわいいワインボトルが待っている。是非ワインもご注文願いたい。店員は今はロシア人に変わっている。数年前はグルジア人であった。

http://caferussia.web.fc2.com/

投稿者: ucn802

会社というしがらみから解き放されたとき、人はまた輝きだす。光あるうちに光の中を歩め、新たな道を歩き出そう。残された時間は長くはない。どこまで好きなように生きられるのか、やってみたい。

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