S君は転校生だった。確か小学5年の時だった。もう半世紀も前のことだ。忘れて当たり前。北関東の田舎の小学校、転校生は目立つ。異文化を持ってくる。東京から来た或る転校生は厳しい寒さの中で半ズボンだった。背が高く足は長く、髪型続きを読む “S君”
カテゴリーアーカイブ:徒然
幻想
山頂から眺めると下界は風景の一部となり何も見えなくなる。眼前にあるのは美しく何処までも続く天上と自分のみ感じられる悠久の世界である。いつまでもこの恍惚の世界に浸りたいがそうはいかない、夜になれば光の無い暗黒の闇が待ってい続きを読む “幻想”
平和の少女像
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が平和の少女像の展示が「反日的だ」との批判により三日で中止した。当に表現の不自由が日本にあることを十分に世界的にアピールした。ベルリンではこの少女像を続きを読む “平和の少女像”
祈り
皆川達夫さんが今年4月に亡くなられた。その1月前までNHKFMの『音楽の泉』のDJをされていた。92才であった。私が皆川達夫さんを初めて知ったのは中学のとき。やはりNHKFM「バロック音楽のたのしみ」朝6時、紹介される曲続きを読む “祈り”
ジョンが遺したもの
かつて住んでいた街の小さな喫茶店、古い書店が数年前から店先で開いている。全てが変わって何も思い出す縁は残っていないが、妙に懐かしい。師走、冬晴れ、木枯らしが冷たい。コロナに翻弄された2020年ももう終わる。珈琲一杯。ふと続きを読む “ジョンが遺したもの”
Pitié
平和への想い
幸いなことに私は戦争を身を持って経験したことも、戦火に見舞われたことも、戦争のために人を殺めたことも、殺戮の場に立ち会ったこともない。もう戦争に引っ張り出されることもあるまいが、巻き込まれる可能性はある。戦争は突拍子もな続きを読む “平和への想い”
老い
老いは忍び寄る影のようなものだ。体の節々に、言葉の端々に、心にじわじわと、自分の意思には関係なく、避けることはできない。ここまで生きたのだから仕方ないと諦めるべきなのだろう。しかし、どこまでどのように体を、頭を、心を蝕ん続きを読む “老い”
山女
ストックを支えに一歩一歩山に登っていると気になるのが、いつの間にか私に追いつき、抜いていく山女の姿である。彼女たちはけして早い訳ではない。こつこつと堅実にひたすら登ってくる。いつの間にか、私が滝のような汗を拭い、休んでい続きを読む “山女”
ピーターの遺産33億円
Face Bookには様々な方が訪ねてくるので楽しい。日本だけでなく海外からも訪れて来る。ー昨日のメールには驚いた。ドバイに33億円(3千万ドル)の遺産がある。山分けしないか?”Yamaji”を探していた。やっと君に辿り続きを読む “ピーターの遺産33億円”