東京大空襲再び

平和憲法が今危うい。中国初め東アジアの軍備増強の流れが止まらない。守るために戦争を。いつの時代も変わらない国民感情。為政者は更に煽ってくる。外圧は内政の危機を誤魔化す道具になる。かつて太平洋戦争も連合国に煽られ、窮鼠猫を続きを読む “東京大空襲再び”

S君

S君は転校生だった。確か小学5年の時だった。もう半世紀も前のことだ。忘れて当たり前。北関東の田舎の小学校、転校生は目立つ。異文化を持ってくる。東京から来た或る転校生は厳しい寒さの中で半ズボンだった。背が高く足は長く、髪型続きを読む “S君”

幻想

山頂から眺めると下界は風景の一部となり何も見えなくなる。眼前にあるのは美しく何処までも続く天上と自分のみ感じられる悠久の世界である。いつまでもこの恍惚の世界に浸りたいがそうはいかない、夜になれば光の無い暗黒の闇が待ってい続きを読む “幻想”

祈り

皆川達夫さんが今年4月に亡くなられた。その1月前までNHKFMの『音楽の泉』のDJをされていた。92才であった。私が皆川達夫さんを初めて知ったのは中学のとき。やはりNHKFM「バロック音楽のたのしみ」朝6時、紹介される曲続きを読む “祈り”

ジョンが遺したもの

かつて住んでいた街の小さな喫茶店、古い書店が数年前から店先で開いている。全てが変わって何も思い出す縁は残っていないが、妙に懐かしい。師走、冬晴れ、木枯らしが冷たい。コロナに翻弄された2020年ももう終わる。珈琲一杯。ふと続きを読む “ジョンが遺したもの”

老い

老いは忍び寄る影のようなものだ。体の節々に、言葉の端々に、心にじわじわと、自分の意思には関係なく、避けることはできない。ここまで生きたのだから仕方ないと諦めるべきなのだろう。しかし、どこまでどのように体を、頭を、心を蝕ん続きを読む “老い”

山女

ストックを支えに一歩一歩山に登っていると気になるのが、いつの間にか私に追いつき、抜いていく山女の姿である。彼女たちはけして早い訳ではない。こつこつと堅実にひたすら登ってくる。いつの間にか、私が滝のような汗を拭い、休んでい続きを読む “山女”