S君

S君は転校生だった。確か小学5年の時だった。もう半世紀も前のことだ。忘れて当たり前。北関東の田舎の小学校、転校生は目立つ。異文化を持ってくる。東京から来た或る転校生は厳しい寒さの中で半ズボンだった。背が高く足は長く、髪型続きを読む “S君”

幻想

山頂から眺めると下界は風景の一部となり何も見えなくなる。眼前にあるのは美しく何処までも続く天上と自分のみ感じられる悠久の世界である。いつまでもこの恍惚の世界に浸りたいがそうはいかない、夜になれば光の無い暗黒の闇が待ってい続きを読む “幻想”