2010年9月6日(月) 50才になって初めて日記を書こうと思う。何となればガン宣告されたからに他ならない。丸善にてこの日記帳を買う。2,100円也!若林堂にてニーチェの言葉という本を買う。1,785円也!まず”カタチ”続きを読む “日記”
投稿者アーカイブ:ucn802
終戦の日に寄せて
今日8月15日は終戦の日。今は亡き父とテレビで夏の甲子園を見ていると急にサイレンが球場に鳴り響く。正午。選手が試合を止め、帽子を取り、頭を下げ、直立不動で黙祷を捧げる。合わせて応援も放送も何もかも止められ、球場全体が数分続きを読む “終戦の日に寄せて”
自転車の旅、旅路の果て
人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。勝つことを知りて負くることを知らざれば害その身にいたる続きを読む “自転車の旅、旅路の果て”
老人と山
警察庁の統計によると昨年夏の山岳遭難者に占める60歳以上の割合が遂に42%弱に。毎年総数共に減ってきている。コロナ禍を真面に受ける老人が登山を諦めたと言うことはあったとしても素直に嬉しいもんだ。還暦を越えると状況判断に狂続きを読む “老人と山”
庭を蘇らせる
庭とはもともと農家の軒先の脱穀や籾すりなど農作業を行う作業場のこと。校庭がこの意味に近い。中国では家の庭のことを『院』と言う。宗教的な意味合いからだ。理解できる。ただ、中国の院を日本で個人の庭に持ってくるには烏滸がましい続きを読む “庭を蘇らせる”
窓辺にミューズを
窓は光の通り道。日が昇り、朝が訪れたことも日が暮れ、闇が帳を下ろすことも教える。窓は風の通り道、春は微風を、夏は凪を、秋は涼し風を、冬は凍てつく空気を届ける。窓は景色が通う道、カーテンで縁取られ、風景を切り取る。鳥の鳴き続きを読む “窓辺にミューズを”
東京大空襲再び
平和憲法が今危うい。中国初め東アジアの軍備増強の流れが止まらない。守るために戦争を。いつの時代も変わらない国民感情。為政者は更に煽ってくる。外圧は内政の危機を誤魔化す道具になる。かつて太平洋戦争も連合国に煽られ、窮鼠猫を続きを読む “東京大空襲再び”
花
願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月の頃 人は老いを迎え、死の遠くないことを感じ、人生最後に最良の姿を求める。満開の桜の下、甘い香りに包まれ釈迦の涅槃の如く死を迎えたい。西行法師はこの句の10年後、73才で望み通り続きを読む “花”
S君
S君は転校生だった。確か小学5年の時だった。もう半世紀も前のことだ。忘れて当たり前。北関東の田舎の小学校、転校生は目立つ。異文化を持ってくる。東京から来た或る転校生は厳しい寒さの中で半ズボンだった。背が高く足は長く、髪型続きを読む “S君”
幻想
山頂から眺めると下界は風景の一部となり何も見えなくなる。眼前にあるのは美しく何処までも続く天上と自分のみ感じられる悠久の世界である。いつまでもこの恍惚の世界に浸りたいがそうはいかない、夜になれば光の無い暗黒の闇が待ってい続きを読む “幻想”